ビジネス・ブレークスルー大学大学院 同窓会

ビジネス・ブレークスルー大学大学院の同窓会交流サイトです

同窓生コラム

イタリアインターンシップ紀行② US14武田敬子

イタリアインターンシップ紀行② US14武田敬子

US14武田です。
2017年の晩夏、イタリア・シエナにて行政書士としてインターンシップを経験し、そのときの体験談を行政書士会の会報に3回に分けて寄稿したので、これを共有したいと思います。今回は第2回です。

【関連記事】

同窓生コラム イタリアインターンシップ紀行②

★物価と税制

イタリアの付加価値税標準税率は22%で、生活必需品は10%と4%の軽減税率がある。10%は食肉、果物、鮮魚、映画、卵などで、4%は野菜、チーズ、新聞、オリーブ油などだ。*1内税で表示してあるため、税金がかかっているのはあまり意識しなかった。それでも食肉、果物、チーズは日本の1/3くらいの金額で、夕食時にレストランが開いていないこともあってこの3つはよく自炊で使った。食肉はウサギや猪肉もあり、特にウサギは大抵のスーパーで手に入る。ワインは1ユーロ(130円)からあり、イタリアは食生活が豊かと感じた。
スーパーでは果物はキロ単位で金額が書いてある。買う際果物は手でとらずに、使い捨て手袋で袋に入れ、秤に乗せて果物の番号をいれると、金額が書いたシールが出てくる仕組みだ。友人は知らずに果物を手にとり、ひんしゅくを買ったそうだ。
ウサギが食べたいとルームメイトに言うと2人とも「可哀そう、絶対食べたくない」と、ディズニーのバンビ(といつも一緒のうさぎ)の画像を見せながら、「こんな可愛いウサギが食べられるの?」と非難された・・・。

★キリスト教会

キリスト教が文化の中心で、日本に神社があるように大中小様々な教会やマリア像が至る所にある。ドゥオーモと呼ばれる大聖堂でも町の教会でもキリスト生誕、キリストの磔、受胎告知など聖書の題材が何枚も壁や天井に描いてある。観光スポットは大聖堂と美術館だが、たいていルネサンス前後の画家による宗教画なので3つも見ると食傷気味になってくる。
大都市ローマは車も人も多いと言うので、じゃ、行かなくて良いかと聞くと街、教会、美術館が美しいからと、事務所の皆が勧める。宗教画は全部同じに見えると言うと、宗教画の美しさが東洋人の視点ではわからないかもしれない、と言われた。イタリア人には違うように見えているようだ。多くのイタリア人キリスト教徒にとって教会は結婚、洗礼、毎週のミサと生活と切っても切り離せない。例えば魚を見ても私たちは魚、と思うだけだが、キリスト教徒にとって魚はキリストの象徴だという。ギリシャ語の 魚を表すΙΧΘΥΣが「イエス キリスト 神の子 救世主」の頭文字だからだ。花も一つ一つ意味があると言う。調べると「白バラは純潔、無垢、赤バラは愛、殉教を、オリーブは平和、神の慈しみによる繁栄と神の祝福」*2を象徴しているようだ。同じ絵を見ても受け取り方によって異なる意味を持つなんて考えもしなかった。
教会が多くて良いのは、1時間毎に鐘が鳴ることである。どの町にいても定時になると聞こえてくる。鐘の音色は教会によって異なり、しかも時間がずれて鳴るので鐘の音が重なり、それは美しい音色であった。

★バス

驚いたのはバスがオンタイムに出発することである。電車もバスも始発はほぼオンタイムだった。ただ、バスは途中駅で10-15分遅れることがあり、45分遅れたことも1回だけとはいえあり、雨や寒い日は遅れがちになるようだ。
バスで気をつけないといけないことが2点ある。定刻より早くても発車することがあること、乗車時に切符を打刻しないといけないことだ。シエナからアッシジまでバスで移動したとき、帰りのバスが10分遅れるというショートメールが30分前に入った。直前に連絡をくれるなんて便利になったな、ということは午後6時40分発か、と思いつつバス停に6時20分に着いたら、何とバスが既に到着しているではないか!長距離なので1日たった2本のバス。泊まる用意もしていないし、これを逃したらと思うとぞっとした。友人はイタリアのバスは信用しないと言って少なくとも30分前~2時間前には着くように家を出ていた。
打刻とはバス乗車時に切符に日時を機械で打ち込むことである。バス切符はいつ買ったものでも使えるので、整理券代わりに切符に乗車日時を直接打刻すると考えるとわかりやすい。私が使った切符で2015年のものがあり、有効期限切れと言われないかと恐る恐る乗り、検査官がたまたまチェックしに来たので見せたが大丈夫だった。運転手は日本と違い切符を確認しないので持っていなくても乗れるが、検査官が来た際に切符を持っていなかったり、打刻していなかったりすると50ユーロ、約7,000円の罰金を払わなければならない。バス料金は日本と同じ数百円単位なので、高すぎる罰金と言える。そしてその検査官は平均すると3日に1回はチェックしていた。イタリア人は仕事しないと聞くけどきちんと仕事している、と感じた。
事務所までは定期券を買っていたが、9月1日、新しい定期券に変わるんだったと打刻した数分後にブルーの制服を着た検査官が乗り込んで来てひやっとしたこともあった。

★シエナvsローマの治安

もう一つ驚いたのはスリがいないことだ。シエナは人口53,000人でコントラーダという名の17の町会の結束が固いせいか、バッグは日本のようにすりを気にせず普通に持っても大丈夫だった。スリが多いと聞き、すりの手口をビデオで勉強して臨んでいたが、嬉しい誤算であった。情報を鵜呑みにせず自分で経験すること、百聞は一見に如かずだ。
イタリアでは凶悪犯は少ないが、すりなど軽微な犯罪が多いと言われる。こどもや妊婦によるすり、ミサンガの押売り、勝手に写真を撮ってお金を要求、など様々な手口がある、地下鉄の出口近くにいるとドアが閉まる直前に携帯やバッグを盗られる、身なりの良い人にこそ注意、と聞いた。
シエナは安全だけどローマは危ないと口々に言われ、スマホはどう持てばよいの?ガイドブック見ながら歩けないの??と聞くと、ガイドブックを見ながらなんてとんでもない、地図はイヤホンで経路を聞けと言われる。不便だと思いつつ仰せのとおりローマに着いたらバッグは体の前に、チャックは手で押さえて歩き始めるが、そんなことをしている人は誰もいない。一目で観光客とわかる人が大勢いるのに、である。
その理由はすぐにわかった。観光スポットや街中に警官や軍がおり、スリは勿論、飲食禁止の場所で食べる観光客がいないかなども厳しくチェックしているのだ。これならスリで悪名高いローマも安心して歩ける。
とはいえ、警官の目の届かない所ではアフリカ系の人がストール等を売ろうとしており、Noと言えばしつこくされることはないが、携帯をいじりながら歩いたらすられる危険は大きい。日本とは違う意識を持ち、向こうから来る人は怪しそうな人ではないか、後ろに不審な人はいないか、絶えず注意して歩かなければならない。

★Wi-Fiと海外で役立つアプリ

行く前に一番悩んだのはWi-Fiである。事務所と家にはWi-Fi があるが、移動時にWi-Fi が使えないとメールも地図も見ることができずに迷う。日本で借りると1か月半で5,6万という。それは高いので、シムを差し替えようと長年使っていたiphoneからシムフリースマホに変えた。が、シムを変えるとスマホの電話番号も変わるという。スマホにはお客様からの電話が多くかかってくるため番号を変えることはできない。シムフリーをせっかく買ったが企画倒れだった。
そこでイタリアでWi-Fiを借りることにした。1か月1ギガ10ユーロだという。ところが少し動画を見たら1ギガを超えたようで、よりによって旅行先のフィレンツェでネット接続ができなくなった!フィレンツェの宿泊先はホテルではなく、民泊Air BnBだから自力で辿りつかないといけない。夜着くと場所も探せるかどうかわからず、治安も心配である。予定を変更して早めに行くことにした。
住所を頼りに近くまで行く。イタリアの良いところは住居表示が通りの名前+番地で、番地がどの家にも表示していることだ。ホストの番地はこの家だが、表札はない。他に方法もないのでブザーを押す。出ない・・・。数回押した後、通りかかった女性に「ここに誰が住んでいるか知ってますか?」と聞く。言葉は通じないが、ブザーを何回も押してくれた。10回目くらいにようやくドアが開く。「Stedano?」「Takako?」ホストが在宅であった!良かった。いなかったら帰るまで家の前で待ってないといけないところだった。
空港や駅、観光スポットでは無料Wifiがあるが、GoogleはSecurityが厳しいようでパスワードが必要ないところではメールも検索もできない。LINEも同様で、メッセンジャーだけが通じる。海外に行くときは必要な人とはメッセンジャーであらかじめ繋がっておくことをお勧めする。
海外でお勧めアプリはGoogle翻訳と為替アプリである。Google翻訳は音声でも入力できかなり正確に聞き取る。何よりイタリア語で発声もしてくれるので、字はわかっても読めない、というときに聞いてもらって通じることがあった。ただ1秒ほどずれがあるため、実用は難しい。
為替アプリは円からユーロ換算する際130倍すれば良いのだが、アプリでユーロを入力すると円で表示してくれるので、端数があるときにすぐ計算でき助かった。お肉やワイン、チーズは日本の1/3くらいの金額だが、美術館は日本と同じくらい。何か所も回るので合計すると高くなるが、またいつ来れるかわからないので、そのとき、その場所でしかできない経験には投資すべきだと思う。
時差が夏時間なので7時間あり、日本の午前中はイタリアの真夜中。3時~6時くらいにスマホに電話がかかってくることもあったが、流石にとれないこともあった。シムを変えていないので、スマホから電話すると1分400円ほどかかる。そのためショートメッセージ100円か、LINE,Skypeからなるべく電話をするようにしていた。Skypeは1分約10円で電話がかけられるが、こちらの電話番号が相手に表示されないのが困った。表示できるとNETでは記載があるが、試しても結局表示できるようにならなかった。海外で日本へ安く電話をかける方法があったら教えてほしい。

★イタリア語

イタリア語はフランス語に似ている。おはようございますが仏語でボンジュール、伊語がボンソルノ、こんばんはが仏でボンソワール、伊でボナセラ。でもイタリア人は仏語は文字では8割方わかるが、発音が違うので聞くとあまりわからない、スペイン語の方が聞いて分かり易いという。「夏休みは南仏に行ったの。車で7時間くらいよ」と話すように、欧州間は気軽に行ける距離にあり、フランスは言葉が似てくるのもわかるし、欧州に数か国を話せる人が多い理由もわかるのだった。

よく聞く言葉は以下である。
オカピート:わかった
ボナペティ- ト:召し上がれ
ボノ:美味しい
べネ:良い 「コメ?気分はどう?」の返答によく使う
アッローラ:それでは、さて、みたいに行動を開始するときに使う
気にいった伊語はプリマベーラ。ボッティチェリの絵でも有名だが、「春」の意味で、美しい響きだ。チャオ!もよく聞くが、バスの運転手さんに「チャオ!」と挨拶しても「ボンソルノ」と返されるので、ため口すぎるのかもしれない。
*1 JETRO  https://www.jetro.go.jp/world/europe/it/invest_04.html
*2教文館 http://www.kyobunkwan.co.jp/kyobunkwan-pedia/contents/trivia-3.html
写真注釈
①果物は置いてある使い捨て手袋で袋にいれて秤で量って買う
②フランシスコザビエルの右手の祭壇があるジェス教会@ローマ
③スペイン広場のすぐ近くの有名なジェラート屋さん
④メインにパスタ、1/4ワイン、水、パンがついて10ユーロのランチ。Setmenuがあるレストランが少ないので、お得
⑤ボッテイチェリのプリマベーラ。フィレンチェはメディチ家の威光が至る所に

【関連記事】

US14 武田敬子

大手外資メーカーに就職後、自分で時間を管理したいと行政書士に。武田行政書士事務所代表。主業務は外国人の在留資格取得、帰化、契約書作成、相続など。中国、韓国、パキスタン、ミャンマー、ネパールなどアジアのお客様が8割。外国人の社長が多いことからきちんとアドバイスしたいとBBTに入学。http://visajp.com/