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同窓生コラム

大前学長のおもてなし「せかいえ」 US12川邉弥生

大前学長のおもてなし「せかいえ」 US12川邉弥生

同窓生コラム 大前学長のおもてなし「せかいえ」

新年早々、ようやくBBTでは話題の「せかいえ」を訪れることが出来ました。
新入生への大学説明会に協力したということでBBTからのご招待。なんて素敵なお年玉でしょう。
世界のラグジュアリーに精通する大前学長がプロデュースしているホテルなのですから、アワーで見ている以上に素晴らしいこと間違いなし、と既に到着前から興奮していました。

というのも私は、BBTに入学してほぼ同時に人材育成の会社を起業しました。社名は「オモテナシズム」。
ご推察いただけるように「おもてなし」からの造語です。 組織とは、茶会の場のように「一期一会」。顧客・社員・経営者が商品やサービスを通して心と心を通わせる場である、という想いからの社名です。
しかし、大前学長は講義の中で何かにつけて「おもてなしは嫌いだ!」とおっしゃいます。学長は「おもてなし」をやたらべったりした日本的な接客と考えていらっしゃるのだろうなあ、と苦い想いで聞いていました。
同時に、大前学長の通訳の経験や世界のリゾートへの見識を聴くたびに、学長ご自身のホスピタリティは相当なものと推察していました。現にグローバリゼーションコースの学生たちは、ゴールドコーストの学長のご自宅で随分素敵にもてなされているようです。
大前学長は「おもてなし」という言葉は好まれないにしても「せかいえ」のホスピタリティは推して知るべし、と思っていました。
さて、やはりそこで発見したのはMBA的おもてなしの数々でした。

~ハイヤーでの送迎~

熱海駅に到着すると「せかいえ」と書いた看板を持った男性が案内してくれたのはホテル専用車ではなくハイヤー。さすがラグジュアリー、と思ったのですが、よくよく考えてみると新館が出来ても20室少しのホテル。稼働率も日々異なるホテルですから、その都度、ハイヤーを手配したほうが、車両も運転手も抱えなくて済む。そして客を喜ばせる合理的な方法だとまずは感心しなら10分足らずでホテルへ到着。

~飲み物フリー~

チェックインして「すべて無料です」と示された冷蔵庫には、ビールはもちろん、ウーロン茶、フルーツジュースなどなど、お茶類もハーブティーまで多種多様にそろいカプチーノマシンも常備。
全ての飲み物があるわけではないけれど、まあこれだけあれば他の物を頼もうという気持ちにはなりません。どれだけ欲張りな人が飲んだところでドリンク代は大した額にはならないでしょう。そして、グラスもティーカップも質の良い食器だから満足感が増します。これが、有料であったらチェックアウトのときの清算の手間、補充の手間、また冷蔵庫にないものをオーダーされたときの手間、そう人手がかかって仕方ない。
同様に大浴場の外の休憩所でもキンキンに冷えた135mlの缶ビールとヤクルトが自由に飲めます。通常の旅館なら担当者が常駐しいちいちお金を取るところです。ビールを無料で置いたほうが、人件費をかけるよりはるかに客の満足感は高いでしょう。

~交換ボックス~

一番驚いたのが、ドアの脇にある宅配ボックスのような箱。交換して欲しい使用済みのタオルやグラスを入れて「交換してください」のボタンを押せば、外から鍵でスタッフがあけて会話をすることなくそこに新しいものを入れておいてくれます。なんと合理的!

~備品~

部屋にはあらゆるタイプのスマホや携帯の電源が用意され、クルクルドライヤーまでありました。
これもいちいち、客が「あれが欲しい」「これがない」とリクエストでフロントに電話をかける手間を省きます。

~鉄板焼きレストランでの朝食~

新館の鉄板焼きレストランで朝食を取りました。隣の人と顔をあわせない仕切りのある席で、目の前でシェフがオムレツを焼いてくれます。そう、鉄板焼きのカウンターですから、オーダーを取るにも使用済みの食器を下げるにもウェイトレスが必要ありません。もちろんシェフ以外のスタッフもいましたが、目の前での調理に贅沢感を味わいながらも、ここでも人手をかけず待たせないアイデアです。

スタッフはいないが客の気持ちに沿ったサービス。こうした工夫は単純なことなのに、ほとんどのラグジュアリーホテルが実現できていないことではないでしょうか。なぜなら、いわゆる「おもてなし」は人と人とのふれあいがなければという概念に捉われてしまっている。経営者の思考の硬直化が日本の生産性を下げているのかも知れません。
では、「せかいえ」が「おもてなし」を考えていないかと言うと、本当に客の立場で考えていなければクルクルドライヤーを置くなんてことは想い浮かばないはずです。
そして、忘れてならない名画の数々。

というわけで、滞在中、ほとんど従業員と会話をせずにしかしゆったりと「大前学長的ラグジュアリーなおもてなし」を味わえた滞在でした。
以上


US12川邊弥生
航空会社、ホテル、ラグジュアリーブランドでの人事に携わり、2012年ビジネスコーチとして独立。
2013年合同会社オモテナシズム設立。講演、企業研修、ビジネスコーチとして活動中。