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同窓生コラム

中年の危機を越えて UF13 河野 俊介

中年の危機を越えて UF13 河野 俊介

中年の危機を越えて

BBTに入るきっかけ

会社でマネージャークラスの研修を受けたときに感じた違和感がきっかけでした。その研修のひとつで、マネージャーに求められる行動を身につけるためにどのような努力をするか?といった議論がありました。あるべきマネージャー像とそうなるための行動計画を受講生が発表し、講師が論評を加えるというスタイルです。「部長に毎朝話をしに行く」、「勉強会を企画する」、「ビジネス書を月に10冊読む」といった計測できる行動が良しとされていました。

コワモテの講師の批判を避けるべく、受講生は模範的な発表を繰り出していましたが、決定的な前提が欠けていました。行動計画が本当に実行されたか、チェックをする仕組みがなかったのです。「これでは本当に変わることはできない」と私は思いました。また、受講生の解答も、大企業特有の社内の論理が大枠としてあったために、中途入社したばかりの私にはリアリティが感じられず、実際の世の中でどのようにビジネスが進んでいるか知る必要があると実感しました。研究者としてのキャリアが長かった私は、ビジネス面での力をつけるため、以前から気になっていたBBTの門を叩きました。2013年、43歳の時でした。

BBTに入ってから

プロフィールにもある通り、大学院で博士号を取得した後に、国立研究所、民間企業、大学などを移りながら研究者としてのキャリアを歩んでいました。研究者という仕事柄、会計学などのフレームワークの決まった科目は比較的習得しやすかったのですが、RTOCSには苦労しました。全く経験のない分野で土地勘を掴もうと努力するのですが、1週間という時間ではそれが叶わないことがほとんどであり、いつも消化不良のままアウトプットを出していました。

ディテールにこだわりがちな性格でもあったため、スピード感についていくのが大変でした。それでも、エアキャンパスでのディスカッションは楽しい思い出です。研究者はファクトベースで論文を書くので、そのスタイルは慣れたものです。あまり数多くはありませんが、自分の投稿をもとに議論が広がってゆくことに興奮した覚えがあります。

中年の危機

BBT在学中は、仕事や学業だけでなく人生においても様々な出来事に遭遇しました。母が亡くなったこと、子供が生まれたことです。また、自分の歩んできたキャリアの結果も見えてきたように思う時期でした。BBTでビジネスについて学んだものの、自分の研究者としてのバックグラウンドの強さを改めて感じていました。かといって、アカデミックな意味での研究者でもない。それでは、今の会社で研究者としてのポジションは満足いくものだろうか?大企業の研究開発部門は、事業部から切り離されているために引き受け手のないテーマは死蔵されやすい。社内の論理に左右されることが多く、世の中の動きに取り残される。BBTで学んだビジネス知識もどこか遠くの出来事のようでした。こんな状態がこの2年ほど続きました。

これまで信じてきた価値観が大きく揺らぐ、いわゆる中年の危機を迎えていると気づきました。転職も考えなくはありませんでしたが、40代後半でもあり、現職で4つ目の職場でもあったため、転職が本当の解決になるか確信が持てませんでした。

転機の訪れ

閉塞感に苛まれながらも、ひらきなおりつつあった矢先、半導体の製造工場への転勤を打診されました。製造工場で海外顧客との交渉を担当してほしい、という内容でした。研究者という自分のバックグラウンドを外れてはいますが、とても興奮しました。自分の幅を広げられるチャンスです。特に、製造工場は具体的な外部の顧客を相手にしており、組織の論理に翻弄されがちな本社R&Dの雰囲気に辟易としていた私にはとても魅力的でした。

先日も異動前の打ち合わせに行ってきましたが、経営数値が具体的に議論されるなど、BBTでの学びを活かすチャンスも多くなりそうです。転居を伴うのでそれなりに大変な異動ですが、挑戦の先を思い描いています。これまでのキャリアと学びをフルに生かしたいと思います。

おわりに

BBTを語るというより私の来し方を振り返るようなコラムになってしまいました。それでも、BBTで大切に思うのは、同窓生や教官との良い出会いがたくさんあったことです。今も同期生とは会うたびに刺激を受けています。そして、このコラムの内容もきっと受け止めてくれる、そう思わせてくれる仲間との出会いがBBTで得たもっとも大きなものだと思います。

 

UF13 河野 俊介 1970年生まれ。大学院博士課程を修了した後、郵政省通信総合研究所、NEC、東北大学で、半導体やレーザーに関する研究開発に携わる。現在、大手家電メーカーに勤務。