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同窓生コラム

「駐在員の妻」からの脱却が人生の転機 US14 金倉佐知子

「駐在員の妻」からの脱却が人生の転機 US14 金倉佐知子

1999年、主人の転勤を機に、アメリカ・シリコンバレーに移住しました。主人は、シリコンバレーのスタートアップとのジョイントプロジェクトで、「世界初」「世界一」という技術開発に没頭している中、私は、日本で勤めていた会社を辞めて移住し、急に「駐在員の妻」となってしまいました。

その1年後、会社は、「プロジェクト」に見切りをつけたのですが、主人は、「会社の決断」に見切りをつけ退職。シリコンバレーのスタートアップに転職してしまいました。「給料はたくさんあげられないけど、ストックオプションを」と勿体つけながらストックオプションをもらい、半減した給料の補填をしてくれましたが、「この株券、お金になるのかしら」と不安な生活が始まりました。

「この先、ず~~っとアメリカに住むんだ」という重圧がきっかけで、初めて私は「何になりたいのか」「何をやりたいのか」を真剣に考えることになりました。

英語では太刀打ちできなくても、数字は万国共通

ずっと会社が税金申告をしてくれていた甘い生活が一変して、自分で税金申告をしないといけないこととなり、転職後、初の税金申告時には、多額の罰金を払う結果となりました。「ちゃんと税金は天引きされていたはず・・・なのに何故?」。知らなければ損をする。誰も教えてくれない。自己責任の社会なんだと痛感。それを機に、英語のみならず、アメリカの税法及び会計も学ぶ決意をし、「英語では太刀打ちできなくても数字は万国共通だから、会計士になれば、私もまた社会に出て働けるかも」と思い、米国公認会計士の資格取得に向けての勉強を始めました。

常識を覆すシリコンバレーの経営者たちとの出会い

会計単位の取得及び国家試験のために勉強に費やした年数は6年。合格通知を受け取った時は、「やっと合格できた」というのが正直な気持ち。でも、「嬉しい」という感情すら出てこないくらいに疲れ果てていました。

シリコンバレーで初めての就職活動。会計事務所に就職し、税務、給与計算、決算書の作成と経験を積んで、監査法人に転職した時のこと。赤字だらけで黒字の傾向すらないスタートアップの経営者は、とても前向き。将来の見通しを聞くと、嬉しそうに夢を語ってくれる。「この決算書を手にしたら、凹むのが普通・・・」と、つぶやいた私に、当時の上司が、経営の勉強をしてみたら、と、薦めてくれました。

同じ学ぶなら最高の経営者(大前学長)から学びたかった

MBAの取得を考えた時、シリコンバレーの大学に入学することも考えました。あちこちの大学のパンフレットを取り寄せ、検討を重ねる中、大前さんが大学を開設したことをネットで知りました。同じ経営を勉強するのなら最高の経営者から学びたい、と思いBBT大学2年生に編入。その後、学部・修士一貫教育制度を経て、2016年3月に経営管理専攻を修了しました。

MBAは最低限必要な学歴だった

シリコンバレーは、超高学歴の人たちが世界中から集まってきています。日本一、台湾一、中国一という大学出身の人たち、大学院卒、博士号の人たちに囲まれ、米国公認会計士の資格を持っているだけでは、「普通の人」だったのです。競争の激しいシリコンバレーでは、私にとってMBAは最低限必要な学歴でした。

すべてが血となり肉となる

経営を学ぶのに仕事を辞めたら本末転倒だと思い、限られた時間と体力の中で、学びの時間を捻出するためには、家族との時間、寝る時間、遊ぶ時間、休む時間を削らざるを得ませんでした。「削ったもの(失ったもの)」以上に、「得たもの」は比べ物にならないくらいに多く、「せっかく入学したんだから、家に帰ってきたら、勉強に専念していいよ」と言って協力してくれた主人に感謝。そして、何よりも、志を高く持つ多くの仲間に出会いました。

タイピングのし過ぎでけんしょう炎を患いましたし、仕事や課題の締め切りに追われる毎日から、帯状疱疹も煩いました。半端なく忙しい毎日でしたが、楽しかったです。今も、学部のLAをさせていただいており、学生に逆ギレされると凹むこともありますが、とても楽しいです。

現在

卒業を前にして、会計事務所を退職し、半導体のスタートアップに就職しました。例の「何の明るい兆しが見えない決算書を手に夢を語った」CEOから仕事のOfferをもらい、転職しました。いくら、米国公認会計士の資格とMBAを持っていても、私はまだ、このシリコンバレーでは「普通の人」です。でも、「今やっていることを精一杯がんばる。」「自分にしか出来ないことを探す。問い、求め続ける。」という大前学長の励ましのメッセージを胸に、出会ったBBTの仲間と、そしてこれから出会うBBTの仲間と刺激しあっていきたいと思っています。

 

 

 

US14 金倉佐知子(かねくら さちこ)
京都生まれ、大阪育ち。
日本銀行大阪支店に入行。
1999年まで預金保険機構にて勤務。
1999年にアメリカ・カリフォルニア州に移住。
現在は、カリフォルニア州マウンテンビュー市在住。
2009年、米国公認会計士の資格取得後、会計事務所に6年、勤務。
現在は、半導体のメーカーの経理部門に勤務。
2016年 BBT大学大学院 経営管理専攻終了
BBT大学にて「グロ経」「財務会計」「管理会計」「会計入門「ベンチャーファイナンス」の各科目のLAを担当