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同窓生コラム

リーダーシップの原点:自分の周りの水をキレイにする US12 古波鮫大己

リーダーシップの原点:自分の周りの水をキレイにする US12 古波鮫大己

■学ぶほど、募る不満

2014年夏、BBT卒業まであと半年という時期。
私は非常に大きな不満を抱えていた。
BBTで学んだことで知識もスキルもレベルアップしつつあると、(勝手に)感じていた。
しかし、学んだことを仕事に全く活かせない。
会社にとって、部門にとって良いと思う提案をしても、意見が通らない。
また意見が通ったとしても、会議で謀るばかりで具体的なアクションに至らない。
意思決定しない会議、結果責任を問わない組織、リスクばかり指摘するが動かない評論家。
全てに嫌気が差してきていた。

■自分の周りの水をキレイにする

そんな不満を抱えたまま、会社で参加したリーダーシップ ・トレーニングで、副社長(当時)のトークセッションがあった。
「ビジネスパーソンは仕事だけしてちゃダメだ。」
「学び続けなければ世界では勝てない。」
GE出身の副社長の話は共感できるものばかりだったが、同時に疑問も感じた。

セッションの終盤、私は彼に質問した。
「あなたは私達に学べと言う。でも、金と時間をいくら使って学んでも、若手の私の意見が通ることはないし、組織は動かない。いつまでも会社は変わらない。そんな会社の現状をどう考えているのか?」

全ては会社や組織のせいだと、そして自分自身の不満をぶつけるように、質問した。
(なんて自分勝手で傲慢な質問をしたのだろうと、今では思う)

彼は怒るわけでも、叱るわけでもなく、即座にこう言った。
「お前、そりゃそうだ。個人が組織を簡単に変えられる訳がない。
オレも若い時、社長に直談判とか、色々やった。でも変わらなかった。
いいか、いきなり全てを変えようと思うな。不満があるなら、まずは近くの人間を味方につけろ。
まずは周りの水をキレイにしろ。そして、それを広げろ。遠回りと思うかもしれないが、それしかない。」

この言葉を聞いて、私はハッとした。
目の前の人を動かせないのに、目の前の人が共感できていないのに、「自分こそが正しい」と思い込んでいる自分は、なんてイケてないんだ、と。

今思うと、ポジションや権力が無かったのは幸いだった。
下手にそれなりのポジションにいたら、権力でしか人と組織を動かせない人間になっていたと思う。
周りの水をキレイにするどころか、周りの水を汚してしまう人間になっていたかもしれない。

■MBAとリーダーシップは創造と変革の両輪である

「自分の周りの水をキレイにする」
これが、私のリーダーシップの原点となった。

BBTを完走するのは、非常にキツイ道のりであり、絶対的な努力が求められる。
私の場合、その努力が、自分自身を傲慢にさせてしまった。
その原因は、私自身の人間力の無さと、リーダーシップに対する理解の無さだった。

BBT-MBAで問題解決力やマーケティングをどれだけ学んでも、リーダーシップがなければ、何も生み出せないし、何も変えられない。
ロジカルに導いた正論を言いさえすれば、人や組織が動くわけではない。
そんな、ごくごく当たり前のことに気づいてから、自分自身の意識と行動は大きく変わった。

自分の軸を持つ。自ら発し、自ら動く。
結果として、周囲に認められ、フォロワーを生み出す。
そういったシンプルなプロセスの積み重ねによって、周りの水をキレイにし、結果としてリーダーとなり、組織を動かしていく。

BBTでの学びと、ほぼ同時期に気づいたリーダーシップの本質は、後々の新規事業開発やスタートアップとの協業、そして現在手がけている不振事業のターンアラウンドにおいて、本当に役に立っている。

自分のダメっぷりや情けない部分を公開することに若干躊躇したが、
かつての私と同じような不満を持ちながら働いている方がいて、もしも私の経験が少しでもお役に立てたなら非常に嬉しく思う。

 

 

 

 

プロフィール
US12 古波鮫大己
2005年、株式会社LIXIL(旧トステム)に入社。
R&D部門を経て、LIXILグループの新規事業開発部門にて、社内事業のカーブアウトやコーポレート・アクセラレーター・プログラムの立ち上げ、ベンチャー投資など事業開発に従事。
現在は、LIXILの社内カンパニーであるシニアライフカンパニーにて、老人ホーム運営事業の経営改善に注力中。
1980年、沖縄県生まれ。仮面ライダーと漫画好き。